規模が小さい地域密着型のデイサービスの場合、利用者の要介護度が低い傾向にある。そのため、スタッフが特別養護老人ホームなどで求められるような高レベルの介護スキルを職場内で身につける機会は少ないというデメリットがある。言い換えれば、小規模なデイサービスで働く介護スタッフはそれほど高いスキルがなくてもやっていけるのである。

しかし、介護報酬が下がってきているということもあり、要介護度の高い利用者を断っていたのでは、採算的に苦しくなるという現状があるのも事実だ。そのため、規模の小さい職場ほど、スタッフの介護スキルを向上させることを通じて要介護度の高い利用者をより多く受け入れられるようにする必要があるのだ。
介護スキルを向上させるには、知識を学ぶ研修だけでなく、実技を学ぶ研修が不可欠である。実技に関しては、事業所内に経験と知識を備えた上司やスタッフがいればOJTをおこなうのが早道だろう。

しかし、的確な人材がいない場合には、外部講師に頼るところとなるが、費用と時間をかけるには規模の小さな職場では難しい。そのため、地域密着型のデイサービス同士が連携をし、協力し合う必要性があるのではないかという考えに至った。
これは一部地域ですでに行われている取組みであり、定期的に外部講師を招き介護スキルを学ぶ研修を実施したり、スキルの高いスタッフが講師として実地訓練を実施したり、意欲的に活動している施設の現場の見学などが行えるのだ。
他にも、難しい介護事例の事例検討会を開いたりすることも可能だろう。同業者同士がけん制しあうのではなく、協力し合うことも必要な時代なのだ。